予防治療

予防歯科ってどんなところ?

予防歯科とは、虫歯や歯周病などの歯の病気を「治す」のではなく、「ならないようにする」ことを目的とした歯科医療のことです。歯が悪くなってから歯医者さんに行くのではなく、健康なうちから通って、歯を長く大切に使うためのサポートを受けるのが特徴です。

予防歯科で行うことには、大きく分けて「プロによるケア」と「自分で行うケア」の2つがあります。プロによるケアには、定期的な歯の検診や、歯にこびりついた歯石やプラーク(細菌のかたまり)を取り除く「クリーニング(PMTC)」、虫歯になりにくくする「フッ素塗布」などがあります。また、歯磨きの仕方や自分に合ったケア用品のアドバイスもしてもらえます。

一方、自分で行うケアとしては、毎日の丁寧な歯磨きや、食生活の見直しがとても大切です。予防歯科では、それらの習慣づくりもサポートしてくれるので、歯の健康を守る意識が自然と高まります。

つまり予防歯科は、将来の自分の歯を守るための「今できること」を教えてくれる診療なのです。

PMTCとは

PMTCとは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning(プロによる機械的な歯の清掃)」の略で、歯科医院で専門の機械や器具を使って、歯の表面や歯と歯の間、歯ぐきのまわりなど、自分ではきれいにできない部分まで徹底的にお掃除してもらうことをいいます。

毎日歯を磨いていても、どうしても磨き残しが出てしまい、そこにプラーク(細菌のかたまり)や歯石がたまっていきます。これらが虫歯や歯周病の原因になりますが、PMTCでは、歯科衛生士さんが専用の器具でそれらを取り除いてくれるので、口の中がとても清潔になります。

PMTCでは、歯の表面を磨いて汚れを取るだけでなく、最後にフッ素を塗って歯を強くし、虫歯になりにくくする処置も行います。見た目もツルツルになって、口の中がスッキリします。

このように、PMTCは「病気を治すための治療」ではなく、「病気を予防するためのケア」です。定期的に受けることで、虫歯や歯周病のリスクを大きく減らすことができるので、健康な歯を長く保ちたい人にとって、とても大切な予防法なのです。

予防歯科の価値

予防治療

30年の私の臨床経験からお伝えすると、まず大人の方が歯医者さんに来ることになるきっかけは、「銀歯が取れた」「昔の治療した詰め物が取れた」というご相談が多いです。ではその歯はいつ治療されたものかというと、15歳以前に治療された歯がほとんどでした。人間の歯は15歳で石灰化が済むのですが、それまでに虫歯になってしまうと虫歯が再発しやすくなります。そして治療を繰り返すうちに歯を削る面積がどんどん大きくなっていくので、歯の寿命も短くなってしまいます。

逆に15歳まできちんとお口の管理をして虫歯の予防をし、石灰化が済んだ後も虫歯にならなければ、その後の虫歯になるリスクは極端に低くなる傾向がありました。

あくまでも私の臨床経験での考えではありますが、
”15歳までに徹底して予防することで、将来的に虫歯になるリスクが劇的に下がる”
きくち歯科クリニックでは、そこに予防歯科の価値があると考えています。

口臭が気になる方へ

口臭が出るということは、必ず口臭の原因がお口にあるはずです。歯科に関して言えば大抵は歯周病か虫歯です。歯周病なら、ばい菌が出す毒素によって歯茎が腫れますが、歯茎が腫れるとうっ血して血の巡りが悪くなり、口臭が発生します。
虫歯なら、虫歯菌によって神経が化膿すると腐敗臭が出てきますし、歯に穴が開いた場所に食べ物が詰まってしまうと口臭が出てしまいます。

予防歯科で口臭を予防することはできますが、既に口臭の症状がある方はその原因を判明させて治療をする必要があります。

きくち歯科クリニックの予防歯科

0歳から15歳のお子さんにとっての一番の予防は、お母さんのブラッシング(歯磨き)です。かかりつけの歯医者さんで、衛生士さんからお子さんの歯並びに合わせた歯磨き指導をしてもらえます。
ふじみ野のきくち歯科クリニックでは、「いかにお母さんが楽に歯磨きをさせてあげられるか」を、個々のお子さんに合わせた方法をお伝えしています。

しっかりブラッシングをしたら、次は歯のクリーニングです。歯石除去、PMTCを行います。
そしてきれいになった歯をコーティングするためにフッ素を塗ります。歯の表面を守ったら、最後にシーラントです。シーラントは、フッ素が入った樹脂を歯の溝に埋めるので、シーラントもフッ素の仲間です。歯の溝の中でフッ素が浸透していくので、フッ素の効果が長く続きやすいです。

フッ素は安全です

フッ素とは、歯を強くして虫歯を予防する働きがある天然の成分です。歯科で使われるフッ素は、歯の表面にあるエナメル質に取り込まれることで、酸に強い丈夫な歯にしてくれます。また、初期の虫歯であれば、フッ素の力で再び元の状態に近づける「再石灰化(さいせっかいか)」という働きもあります。

皆さんも、毎日の歯磨きの中でフッ素入りの歯みがき粉を使っているかもしれません。これだけでも虫歯予防に効果がありますが、歯科医院で受けられる「フッ素塗布」は、より高い濃度のフッ素を使うため、さらに強力に歯を守ってくれます。

とくに、甘いものをよく食べる人や、歯磨きが苦手な人、歯の質が弱い人は、フッ素を使うことで虫歯のリスクを減らすことができます。塗るだけなので痛みもなく、短時間で終わるため、気軽に受けられるのもメリットです。

つまり、フッ素は「虫歯になってからの治療」ではなく、「虫歯にならないようにする予防」のためにとても重要な役割を持っています。自分の歯を守るために、フッ素をうまく活用していくことが大切です。

フッ素は基本的に、ワカメ等に含まれているミネラルの一種なので天然素材です。ですので、お子さんにフッ素を塗布しても健康上の問題はありません。また、歯科医師の指導のもとでフッ素を塗布するため安全です。
もし何かご不安な点等あれば、ふじみ野きくち歯科クリニックにいつでもお問い合わせ下さい。

積極的に予防を!

まれに、40代になってから初めて歯医者さんにきたという方もいらっしゃいます。そういう方はもともと歯質が強いために虫歯になりにくいのですが、歯周病が重症化してしまって悩まれているということがあります。大事なことは、3~4か月に1回は歯医者さんを利用してしっかり歯のメインテナンスとクリーニングを継続することです。たとえ15歳になって虫歯がなかったとしても、歯医者さんでフッ素を塗って予防をしましょう。学校の歯科検診だけではなく、一人一人のお口の状態や歯並びに合わせた予防法を衛生士さんに教えてもらいましょう。