口腔外科

口腔外科治療で当院が大切にしていること

口腔外科は「外科」なので、手術や麻酔を行います。口腔外科の治療で大事なことは、歯を抜くなどの処置そのもの以上に、術前・術後管理だと考えています。
外科手術の際に傷口ができるので、治療が終わったとしてももともとの口腔内が不衛生だと傷口の治癒が遅れてしまいます。手術だけでも患者さんにとってはストレスがかかるのに、術後の傷がいつまでも治ってくれないと、さらに負担をかけてしまうことになります。
患者さんにとって病気が治るというのは、手術自体の成功だけではなくて手術でできた傷口の治癒、そしていつもの生活に復帰できることだと思います。
きくち歯科クリニックでは、術後の患者さんの生活を考慮し、予めクリーニングで口腔内を清潔な状態にして、外科治療の環境を整えさせていただきます。そして術後は、十分なブラッシング指導、傷口の衛生管理、口腔ケアについて細やかにアドバイスをさせていただきます。
他にも、糖尿病などの全身疾患がある方に対しては、主治医の先生と相談しながらフォローさせていただきます。

外科治療がトラブル等なくスムーズにできるよう万全の準備をしておく。
それは、患者さんに豊かで幸せな時間を過ごしていただきたいから。
この気持ちが、きくち歯科クリニックの歯科治療の真髄です。

TMG朝霞医療センターとの連携

朝霞台中央総合病院が新築移転し、名称がTMG朝霞医療センターとなりました。
もしも難しい手術になりそうな場合は、TMG朝霞医療センターと連携し、信頼できるドクターに治療を託します。ただ単に治療をバトンタッチするのではなく、丁寧に引き継げるようにTMG朝霞医療センターのドクターと日頃から意思疎通を図り、信頼関係を確立してきました。紹介先の治療で患者さんに何かお悩みができた時、紹介先のドクターときくち歯科クリニックでいつでも相談ができる、相互的なコミュニケーション、人と人との絆を大切にしています。
大学病院など他の医療機関に患者さんを紹介させていただくにあたって、紹介先ドクターとの信頼関係を重視しない歯科医師もいるかもしれませんが、患者さんの情報を細かく伝え、あらゆる場面を想定して手術に臨むことで、少しでも患者さんの不安が取り除けるなら、大変有意義なことだときくち歯科クリニックでは考えています。

口腔外科ってどんなところ?

口腔外科(こうくうげか)は、歯や歯ぐきだけでなく、口の中やあご、顔のまわりに関係する外科的治療を行う専門の診療科です。ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、実は身近な治療がたくさんあります。
たとえば、「親知らずの抜歯」がその代表例です。まっすぐ生えてこない親知らずや、歯ぐきの中に埋まっている歯(埋伏歯)を抜くのは、一般の歯科では難しいことがあり、口腔外科で安全に行います。
また、転んで歯が折れた、あごの骨が折れた、口の中を強くぶつけて出血した、などのケガも、口腔外科の出番です。歯やあごの骨のケガは、見た目だけでなく、かみ合わせや将来の成長にも関わるので、専門的な治療が必要になります。
さらに、口の中のできものや腫れ、口が開きにくい・あごがカクカク鳴る(顎関節症:がくかんせつしょう)といった症状も診てもらえます。場合によっては、病院の口腔外科で全身麻酔の手術をすることもあります。
このように、口腔外科は「口の中とその周囲のトラブル」を専門的に治す診療科で、見えない部分の病気やケガにも対応できる大切な存在です。

怪我、抜歯の他にどんな病気を治療するの?

口腔外科(こうくうげか)は、口の中やあご、顔まわりに起こる病気やケガを専門的に治療する診療科です。中でも重要な役割を果たしているのが、「口腔がん」や「舌がん」などのがんの診断と治療です。

口腔がんとは、舌、歯ぐき、口の中の粘膜、くちびる、口の奥(口蓋や口底)などにできるがんの総称です。その中でも特に多いのが「舌がん」で、口腔がん全体の半分近くを占めます。初期の舌がんは、痛みが少なく、見た目が「口内炎」に似ているため気づきにくいことが多く、発見が遅れるケースもあります。
たとえば、舌や口の中に白っぽい部分(白板症)や赤い部分(紅板症)が長く続いている、治らない口内炎がある、出血やしこり、話しづらさ・飲み込みづらさがある、などの症状がある場合は要注意です。早期発見すれば手術で治ることも多く、命を守ることにもつながります。

口腔外科では、これらのがんの検査・診断(細胞検査・画像検査など)、そして手術や治療後の経過観察を行います。がんが大きくなると、食事や会話に大きな支障をきたすこともあるため「ただの口内炎だと思って放置しないこと」がとても大切です。
このように口腔外科は、命にかかわる病気にも対応する、非常に重要な診療科です。違和感や異常があれば、早めに受診することが健康を守る第一歩です。

口腔外科で診断可能な病気一覧

  • 親知らずの異常(埋伏歯・智歯周囲炎):横向きや深く埋まった親知らずによる痛みや腫れ。
  • 顎関節症:口を開けたときの音、痛み、開けづらさなどの症状。
  • 歯やあごの外傷:転倒や事故による歯の破折・脱臼、あごの骨折など。
  • 口腔がん:舌や歯ぐき、口の粘膜などにできる悪性腫瘍。
  • 良性腫瘍:粘膜や骨などにできる、がんではない腫瘍(例:線維腫、脂肪腫)
  • 嚢胞(のうほう):あごの骨の中などにできる袋状の病変。
  • 口内炎・難治性潰瘍:なかなか治らない口内炎や粘膜のただれ。
  • 舌小帯・上唇小帯異常:舌や唇のすじが短すぎて発音や歯並びに影響する状態。
  • 唾液腺の病気:耳下腺や顎下腺などの炎症や腫れ(例:唾石症、がん)
  • 神経の障害:歯の治療後のしびれ、三叉神経痛など。
  • 口腔粘膜疾患:白板症、扁平苔癬など。

親知らずの抜歯は口腔外科の治療です

歯を抜くという行為は口腔外科の治療に分類されます。親知らずを抜こうかと検討している方は、親知らずが痛くなってきたことがきっかけになってる方が多いと思います。
では、なぜ親知らずが痛くなってしまうのか。親知らずが痛くなる原因は何なのかというと、親知らずを上手く磨けず、細菌感染によって歯茎が炎症をおこしてしまう(歯茎が腫れてしまう)ということがほとんどです。
女性でこれから妊娠の可能性がある方の場合、妊娠中に炎症を起こすと服薬ができなくなってしまうので炎症が長引いてしまい、子宮収縮による早産のリスクがあります。また、親知らずが痛んでいる、つまり歯茎が腫れてしまっているということは、親知らずの隣の歯も虫歯になってしまっている可能性があります。
「ただ歯茎が腫れているだけ」ととらえずに、早めに治療しましょう。

親知らずは抜くべき?それとも放置していい?

主人公は親知らずではなく、その手前の歯

親知らずを抜いた方が良いのか、それとも抜かない方が良いのか迷う方もいらっしゃると思います。この判断は、「親知らずがしっかり磨けるかどうか」「親知らずが他の歯にどんな影響を与えているかどうか」を基準にしています。

親知らずを抜くべき場合

他の歯に悪い影響を与えている場合は基本的に抜いた方が良いです。
例えば、親知らずがまっすぐ生えているから抜かなくて良い、ということではなく、まっすぐ生えていても歯磨きがうまくできず虫歯や歯周病のリスクがある場合は、他の歯や口腔内全体に悪い影響が出てしまいますので、抜くことをおすすめしています。若いうちに抜けば、抜歯した時の傷の治りも早いので、分からないことがあればお気軽にご相談ください。

親知らずを抜かなくても良い場合

親知らずがしっかり磨けて、かみ合わせや歯並びに悪い影響がなければ抜く必要はありません。たとえ親知らずが斜めに生えていたとしても、その隣の歯に悪影響がなければ抜かなくて良い場合もあります。

お子さんのすきっ歯を治療することもあります

上唇小帯(上唇の付け根のヒダ)の幅が広いことで、上の前歯に隙間ができてしまうことがあります。これを、上唇小帯による正中離開(すきっ歯)と言います。上唇小帯をレーザーで切除し、2週間から1か月ほどで改善されます。

上唇小帯による正中離開とは?

「正中離開(せいちゅうりかい)」とは、前歯の真ん中にすき間ができてしまう状態のことをいいます。稀に「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」が原因ですきっぱになることがあります。上唇小帯は、上くちびるの内側から前歯の上の歯ぐきに向かって伸びている、薄いすじのような組織のことです。
本来、上唇小帯は成長とともに少しずつ上の方に位置が変わり、目立たなくなっていきます。しかし、稀にこの小帯が太くて長いまま、前歯の間に入り込んでしまうことがあります。そうすると、小帯が邪魔になって前歯がぴったりくっつかず、真ん中にすき間ができてしまうのです。これが「上唇小帯による正中離開」です。 この状態は、見た目が気になったり、発音に影響が出たりすることもあります。小さいうちは自然に治ることもありますが、成長してもすき間が残る場合は、小帯を切除する小さな手術(上唇小帯切除術)を行うことで歯並びを整えられます。
気になる場合は、ふじみ野きくち歯科クリニックにご相談ください。

舌小帯が短いことが原因による「たちつてと」などの発音障害の治療

舌小帯という舌の裏側の筋が長いと、うまく発音ができないことがあります。お子さんの舌小帯を切除することで改善することができます。

舌小帯(ぜつしょうたい)とは、舌の裏側についているすじのような組織で、舌を動かすときに支えの役割をします。この舌小帯が生まれつき短すぎると、舌の動きが制限され、「発音」に影響が出ることがあります。これを「舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)」といい、「サ行」や「ラ行」などの音がうまく言えない、舌がうまく回らないといった発音障害の原因になることがあります。

たとえば、「さかな」と言いたいのに「たかな」と聞こえてしまう、「らりるれろ」が言いにくいなど、周囲の人が聞き取りにくい場合は、舌小帯が影響している可能性があります。発音が不明瞭なことで、自信をなくしたり、話すことをためらう子もいます。

舌がほとんど上に持ち上がらないような重度のケースでは、舌小帯を切って動きを良くする手術(舌小帯切除術)によって改善が可能です。この手術は比較的短時間で終わり、傷も小さく、日帰りでできることが多いです。

粘膜疾患や舌癌などの診断

口内炎が2週間以上経っても治らない、口内炎ができやすい、味覚がおかしい、口角炎になりやすい、口が渇きやすいという症状が気になる方はお気軽にご相談ください。
患者さん一人一人の普段の食生活などをヒアリングさせていただき、必要に応じて専門医をご紹介します。

粘液嚢胞について